大胸筋のダンベル筋トレのやり方を部位別(上部・内側・下部)に解説します。
大胸筋の構造と作用
大胸筋の作用
腕を前方に押し出す
腕を前方で閉じる
大胸筋の部位わけと働き
大胸筋上部:腕を斜め上に押し出す
大胸筋内側:腕を前方で閉じる
大胸筋下部:腕を斜め下に押し出す
全身の主な筋肉
全身の主な筋肉部位の名称(読み方)および働き(作用)などのさらに詳しい情報は下記リンク先の「主な筋肉の一覧図鑑」をご参照ください。
主な筋肉の名前と働き(名称と作用)および部位別の筋力トレーニング種目
筋トレの実施目的と負荷回数設定の関係
筋力トレーニングを実施するにあたり、まず留意すべきことが、筋力トレーニングの実施目的に対して適切な負荷回数設定で行うことです。筋トレの対象となる骨格筋には主に3種類の筋繊維があり、それぞれに特性は異なります。その筋繊維特性とそれぞれに適切な負荷回数設定は次の通りです。
筋肥大を目的とした筋トレ
筋肥大を目的とした筋力トレーニングを実施する場合は、筋肥大しやすい特性を持つ「筋繊維タイプ2b(短時間に爆発的な収縮をする筋繊維)」を対象として行います。具体的には8~10回前後の反復動作で限界がくる負荷設定で筋力トレーニングを実施します。
体力作りを目的とした筋トレ
体力作りを目的とした筋力トレーニングを実施する場合は、中程度に筋肥大する特性を持つ「筋繊維タイプ2a(持久要素のある瞬発的な収縮をする筋繊維)」を対象として行います。具体的には12~15回前後の反復動作で限界がくる負荷設定で筋力トレーニングを実施します。
ダイエットを目的とした筋トレ
ダイエットを目的とした筋力トレーニングを実施する場合は、ほぼ筋肥大せずに緊密度が向上する特性を持つ「筋繊維タイプ1(持久的に収縮をする筋繊維)」を対象として行います。具体的には20回以上の反復動作で限界がくる負荷設定で筋力トレーニングを実施します。
大胸筋全体のダンベル筋トレ
ダンベルプレス
ダンベルプレスの動作ポイントは、「肩甲骨を十分にと引き寄せた状態を保ったままトレーニング動作を行うこと」で、肩甲骨が十分に引き寄せられていない状態でトレーニングを実施すると大胸筋にあまり負荷がかからず三角筋や上腕三頭筋にばかり負荷が加わりますので十分に意識して行ってください。
ダンベルプルオーバー
ダンベルプルオーバー動作ポイントは、「効かせる筋肉部位に対して正しい肘の角度で行うこと」です。具体的には、大胸筋に効かせる時は肘を直角に曲げて行います。
大胸筋上部のダンベル筋トレ
インクラインダンベルプレス
斜め上方に腕を押し出す軌道で行うインクラインダンベルプレスは大胸筋上部に効果的です。本種目を実際に行う時に気をつけるべき動作ポイントは、「腰を浮かせないこと」で、腰を浮かせてしまうと軌道が普通のダンベルプレスと変わらなくなるので注意してください。また、肩甲骨を寄せたまま動作を行うことも大切です。
大胸筋内側のダンベル筋トレ
ダンベルフライ
ダンベルフライの動作ポイントは、「十分に肩甲骨を引き寄せた状態を維持してトレーニング動作を行うこと」で、肩甲骨が開いたフォームだと負荷が大胸筋に集中せず三角筋に逸れてしまいますので注意してください。
インクラインダンベルフライ
斜め上方に腕を閉じる軌道で行うインクラインダンベルフライは大胸筋上部内側に効果的です。本種目を実際に行う時に気をつけるべき動作ポイントは、肩甲骨をしっかりと寄せたまま動作を行うとともに、腰を浮かせないように注意することです。
デクラインダンベルフライ
斜め下方に腕を閉じる軌道で行うデクラインダンベルフライは大胸筋下部内側に効果的です。本種目を実際に行う時に気をつけるべき動作ポイントは、「確実に肩甲骨を寄せた状態を保って動作を行うこと」で、これにより負荷が三角筋に逸れてしまうのを防げます。
大胸筋下部のダンベル筋トレ
デクラインダンベルプレス
斜め下方に腕を押し出す軌道で行うデクラインダンベルプレスは大胸筋下部に効果的です。本種目を実際に行う時に気をつけるべき動作ポイントは、「しっかりと肩甲骨を寄せたまま動作を行うこと」で、これにより負荷を大胸筋に集中させられます。
トレーニングギアについて
筋トレに必須となるのがトレーニングギアですが、全ての種目に必要なもの、押す種目・引く種目によってそれぞれあると便利なものなど、トレーニングギアにはさまざまなものがあります。詳しくは、下記のページで解説していますので、そちらをご参照ください。
筋力トレーニングに必要となる各種のトレーニングギア(補助用品)